秋・冬が旬のゴボウの解説とレシピ(加藤先生より)

秋の養生について、加藤ゐくこ先生よりご解説いただきました。

【ゴボウ】

原産・・・ヨーロッパ、シベリア、中国の北方、日本には平安時代に中国から入って来て野菜として栽培され、その歴史は千年以上にもなります。

中国では食用より漢方薬として種を午蒡子または大力士と呼び解熱、解毒、利尿、排膿作用を持つ薬として使われて来ました。

 

産地と種類・・・国内主産地は、千葉、茨城、群馬、青森、北海道。ごぼうを作ると畑が死ぬと言われる程たくさんのミネラルを吸収するため、連作障害が激しいので広い耕地が必要になります。その点、広大な耕地を持つ北海道は主要な産地です。関西でも火山灰地帯では各県とも少量づつの産地があり、消費量は関西のほうが遥かに多いと言うのが事実なのです。

連作障害のごぼうは、芯が硬く鬚が入り、繊維が硬く木質化し、膚に斑点が出ているので一見して見分けることができます。また、良質なものは、太いひげが少なく、(太い髭が多いものは、耕土の栄養バランスのとれていない土壌で物理性もあまり良くない耕土で生産されたものです。)生で食べてみると繊維の歯切れがよく甘みがあり、口の中が爽やかな感じがします。筋のある硬い繊維は、食物繊維としての効果はないとも言われています。歯切れが良く、口に残らないものが腸の微絨毛を刺激し、内部を掃除して便秘を解消、腸内細菌を整えて種々の生活習慣病を予防してくれるのです。

 

成分と食効・・・食物繊維が白米や肉などの20~30倍の水分を吸収して、腸内の好気性細菌を多く発生させてビタミンの合成を促進、脱コレステロールにも役立っています。腸内に食物繊維があると、腸からの糖分の吸収が遅くなるので血糖低下作用があり糖尿病に良い食べ物。便通を整え、同時に老廃物の腸内停滞時間が短くなるので直腸ガンの予防にも一役果します。その他、精力を増強する効果があるので、虚弱体質者が常食すると体質が強化され、男性の精力を高めたり、女性の不妊症の改善にも役立つことが期待できそうです。この場合、充分に煮て味は少し濃いめに仕上げる事が大切。

 

調理のポイント・・・ごぼうは、寒い季節に地中深く根を張る強い根菜で一般に体を温める野菜と言われていますが、生の絞り汁を盲腸の炎症を抑えるのに用いる程の冷す性質があるので、よく火を通して、繊維を柔らかくし味付けは醤油や塩で、やや濃いめにしたほうが良いでしょう。

性  味   : 苦 寒

帰  経   : 脾胃

薬理作用・効能: 明耳目、利腰膝、消癰腫、散風徐熱

 

ごぼうと麻の実のスープ

~豊富な繊維と麻の実が腸に働く~

《材  料》4人分

A 

ごぼう200g(洗い、ザク切り)

玄米1/3カップ(さっと洗い、炒る)

B 

十八和漢健彩スープ(※1) or 薬膳だし汁5カップ

ごま油 大1

C 

塩、胡椒適量 

D 

長ネギ10cm 1本(小口切り)

麻の実 大さじ8

(※1)当サイトで購入可能

《作り方》

①   ごぼうをごま油で炒めて玄米を加えてBで1時間ほど柔らかく煮ます。

②   ①をミキサーにかけて滑らかにして再び鍋に移して加熱し、Cで味を調えスープ皿によそい、Dをタップリ加えていただきます。

●ポイント

ごぼうは、口のかわき、舌の粘り、母乳不足、卒中予防、皮膚の損傷などによい。

ごぼうの繊維は、米や肉の数十倍の水分を吸収して便通をよくし、更に腸内の好気性細菌の発生を促してビタミンを合成、脱コレステロール作用もあります。

腸内に豊富な繊維があると腸からの糖分の吸収がおそくなり血糖値が急激に上昇するのを防ぐので糖尿病の改善にも良い食材です。

2021年9月  加藤ゐくこ family62 無断コピー、転載を禁止いたします。

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