羅漢果の紹介(加藤先生より)

羅漢果は、中国、南端の挂林で栽培されたウリ科の果実。古くから、あらゆる病気によしとして、国外に持ち出すことは死罪とされていた生薬で、「神果:しんか」神が与えたものとして大切にされて来たものです。

昔、海底だった豊富なミネラルを含む土壌と、昼夜の寒暖の温度差の激しさ、強烈な紫外線と言う過酷な環境条件の下で栽培されたものだけに、果実自体があらゆる病気に対処できる力を持っているのです。

砂糖の300~400倍の甘み(甘味成分はモグロサイドと言う腸では吸収されにくいもの)がありながら殆どカロリーにはなりませんので、糖分をカットしている方でも安心して甘みを楽しむことができる画期的な甘味を持つもので、生薬ではありますが、現在は食材としての利用が主流です。

 

●生薬としての羅漢果
性  味 :甘、涼
帰  経:肺、脾
薬理作用・効  能:清肺潤腸、痰火咳嗽、化痰止咳、血燥便秘、降圧、降血脂、利尿作用、免疫効能向上作用

 

●羅漢果の食効
  産地の広西省桂林は、3億年前は海底だったところで、石灰質のカルスト台地は、貝や魚など多くの海中生物の死骸からなっており、カルシュームをはじめ多くのミネラルを含んでおり、羅漢果は、この土壌中のミネラルをたっぷりと吸収して生育しています。一方、ここは、標高400~1000メートルの山岳地帯、空気が澄んだ山の上は、緯度的にも亜熱帯に属しているので平地より強い紫外線を受けます。

この強い紫外線は、人間にとっては時には有害になりますが、植物にとっても同様、そこで、長い年月をかけてストレスに対抗する成分を体内にたくさんつくりだすようになったのです。それが、ビタミンやフラボノイドをはじめとする活性酸素を除去するスカベンジャー効果のある物質なのです。

 羅漢果の甘味成分は、1983年、徳島文理大学生理学教室の竹本常松教授らの研究により「テルペングリコシド配糖体」と少量の果糖であることが判明しました。
このテルペングリコシド配糖体に含まれる主な甘味成分のモグロサイドは、砂糖の400倍の甘味がありながら殆どカロリーにならないと言う特性をもっています。
それは、主要甘味成分のトリテルペン系配糖体、植物繊維であるために腸から吸収されずに排泄されてしまうので蓄積されることがないからです。
体内でエルギーや脂肪になる砂糖とは全くことなった性質なのです。
 

●  岡山大学医学部の森昭胤教授は、平成5年に「羅漢果のフリーラジカル消去作用及び抗酸化効果」と言う論文で、羅漢果の作用を詳細に検討した結果、羅漢果水抽出液は、フリーラジカルを消去すること、および過酸化を抑制することが明らかだと、羅漢果に体の酸化を防ぐ効果があるところから、アレルギー、花粉等、生活習慣病、抗老化にも良いとしています。

 

●生羅漢果エキスの使用法
①120倍に薄めて飲み物に(120gの水に濃縮エキス10滴)頭脳労働の前に一服で能率アップ)
②10倍希釈液を、うがいや 洗浄に(喉や鼻の炎症時、コロナ対策に)
③紅茶、コーヒーに(携帯に便利な濃縮エキスボトル)
④調理一般に砂糖の代わりに:甘味成分が脹で吸収されにくいので糖分の制限中にも。
⑤パンやお菓子作りに・・・・・・など使い道は無限大
⑥現代の糖質の種類は豊富ですが、メープルシロップ、アガペシロップなどと組み合わせての使用法もおすすめです。

■大豆ミートの酢豚風のレシピ

《材  料》4人分

乾燥大豆ミート30g(温湯でもどす)

A 昆布だし汁1C、酒、塩 各小1

B 玉ネギ(中)1/2個 70g(くし型きり)

  パプリカ50g(1×2,5cmの短冊きり)

  ピーマン1/2個30g(種を除き、乱切り)

  パイナップル70g(イチョウ切り)

薬膳だし汁 1/2C

C ごま油 大1

D ケチャップ、五味子酢各大2、生羅漢果エキス 小2、酒小1

E 片栗粉大2、水大4

F 生姜 1/2片(細く千切り)

 

《作り方》

①  大豆ミートは3~4cmのうす切りにして、塩、胡椒で下味をつけて片栗粉をまぶして揚げ油でからっと揚げておきます。

②  Cを温めてBを順に炒めてから①とだし汁を加えて玉ねぎが柔らかくなるまで煮てDで調味します。

③  Eを加えてまとめて仕上げます。

④  器に盛り、Fを散らしてすすめます。

 

◎大豆ミートは、プラントベースの食材として大手のスーパーなどでも入手できるようになり、人気の食材として注目されています。
ミンチ状、薄切りのミート風のものなど、形態も料理の目的に合わせて選べるようになっています。乾燥したものなので、温湯に浸して戻しで使います。

 

●羅漢果は世界で一箇所、中国桂林の山中で収穫される貴重な生薬。

性  味:甘、涼
帰  経:肺、脾
薬理作用・効  能:清肺潤腸、痰火咳嗽、化痰止咳、血燥便秘、降圧、降血脂、利尿作用、免疫効能向上作用

 

★五味子は、モクレン科のチョウセンゴミシの果実で酸、苦、甘、辛、塩の五つの味を備え持ち、薬効範囲も非常に広い。主成分は、精油、有機酸、ビタミンA、Cなど。

性  味 : 酸 温
帰  経:肺、腎、心
薬理作用・効  能:生津斂汗、渋精止瀉、寧心安神

 

■薬膳常備菜:大根の唐辛子風味漬けのレシピ

《材  料》

大根 1,5キロ

生姜 10g(極、細く千切り)

大蒜 〃 (たたいてつぶす)

A 塩 大2~(大根の重さの7~10%)

B(漬け汁))粒山椒 小2、一味唐辛子小さじ1,
       醤油1/2C,五味子酢各1/2C、生羅漢果エキス小さじ1、料理酒、枸杞みりん各小さじ1

 

《作り方》
①  大根は7cmの輪切りにし、縦1,5cmに拍子木に切り、Aの塩をまぶして
重しをして、半日おき、水が上がったら水洗いしてザルに上げ、半日ほど乾燥させます。
②  漬け汁に①を漬け、時々混ぜながら、一昼夜置いていただきます。

 

★料理酒の豊富なアミノ酸の働きでおいしい漬物ができます。お酒の効用で時間が経つほど甘味が出ておいしくなります。寒い季節は常温、暑くなれば冷蔵庫で保存できますので、一度に多めに作るとおいしいです。

★和洋中華、どんなお料理にも合うので、定番の常備菜として常に用意したいものの一つです。

★切り方は正確に形を整えましょう。そして、大根の切れ端は、更に細く切り、冬の陽で乾燥させて切り干し大根を作りましょう。

 

大地のエネルギーをたっぷり吸収した大根に、太陽の光と熱のエネルギーを加えて干し上げたのが切干大根です。太陽で干したものはカルシューム、鉄、食物繊維の量が格段に多くなります。切干大根100g中に含まれるカルシュームは470mgで、牛乳の4倍以上、太陽の力でカルシュームの吸収をよくするビタミンDも豊富。
日照時間や戸外の活動が少ない冬の生活では、切干のような乾物からビタミンDをとることが必要です。
ビタミンDは皮膚に紫外線があたると、皮膚の下にあるコレステロールが材料になって前駆物質が作られる。それが血液の中に入って肝腎で活性化され、活性型のビタミンDになる。
ビタミンDの働きは、食べ物として摂取したカルシュームを効率よく吸収させたり、骨に蓄積させる。ビタミンDは最近の研究では、ホルモンと似た働き、細胞内の核に指令を出してその時々に必要なタンパク質を作らせる作用があることが報告されています。
また、感染症にかかったときには、体内で抗菌作用のあるタンパク質が作られるが、その時に指令を出すのがビタミンDだとされている。
最近の研究では、アレルギーと感染症に対するビタミンDの効果が顕著であるとの見方が有力視されている。

■水煎果(スジョンガ):薬膳干し柿:韓国の伝統 食後の飲み物のレシピ

《材  料》10人分
干し柿 5個

A 水 1000cc
  生姜5g, 甘草3g, 桂皮8g、陳皮5g, 大棗10g、生羅漢果エキス小さじ1

B 枸杞の実、松の実各 大1         
  シナモンステック適量 (3~5本)

《作り方》
①  大鍋にAを入れ30分浸水させた後、弱火で約1時間煎じて漉して冷ましておきます。
②  柿はへたを除き①に静かに入れて1週間から10日ほど放置します。
③  小鉢に柔らかくなった柿をよそい、汁を張り、Bをのせてすすめます。

★二日酔い改善、血圧調節などに良いデザートです。
ここで使われている生薬はいずれも体を中から温めて血液の滞りを改善するので、冷えた内臓を暖めるのにおすすめ、お茶としての使用もあります
☆  柿を汁に浸してからは加熱しない、自然に干し柿が柔らかくなります。
☆  柿のヘタ(柿蒂)はしゃっくり防止の妙薬として古くから知られています。
☆  韓国では、通常ハチミツを加えます。ハチミツも生薬の一つです。

2021年12月  加藤ゐくこ family62 無断コピー、転載を禁止いたします。

  

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